印刷用表示へ切り替え 通常表示へ切り替え 更新履歴を表示 更新履歴を隠す
Windows BAUM の電話帳データの移行問題

京セラ PHS BAUM の電話帳データを iPhone に移したい。できれば一括で。しかし,思ったほど簡単ではなさそうだ。

■ ■ ■

通話用として,長年 PHS を使ってきたが,ついに先月で解約し MNP で格安 SIM に移行した (nlog(n): さようなら Y!mobile こんにちは freetel)。データ通信は iPhone 5s を併用して使い始めていたので,docomo の SIM を抜いて乗り換えた格安 SIM を挿したという形である。これで,「PHS とスマホの2台持ち」から開放され晴れて「スマホ1台持ち」となった。PHS のハードウェアとしての電話機は不要となったのである。

さて,PHS の電話機として使っていたのは,京セラ BAUM (WX341K) で,この度お役御免となったわけだが,そういえば「電話帳データはどうするのだ?」といまさらながら気づいたのである。あまりに音声電話をしないので電話帳のことなどすっかり忘れていたのである。それでも登録数は200件ほどあって,一括でできるなら簡単そうだ。

しかし,その電話帳データをスマホに移そうとして愕然とした。簡単にはいかなそうなのである。

BAUM (WX341K) からエクスポートできる電話帳データの形式

BAUM からエクスポートできる電話帳データの形式にはいくつかの種類がある。

  • *.KBF
    • BAUM 本体で「Accessory」→「バックアップ」→「本体⇛microSD」→「アドレス帳」でエクスポートできる京セラ独自の形式。ファイル名は「AD341K.KBF」
  • *.VCF
    • BAUM 本体で「アドレス帳」→氏名→「メニュー」→「名刺フォルダへコピー」→「microSD」でエクスポートできる形式で,バージョンは vCard 3.0,文字コードは Shift_JIS。vCard は電子名刺の標準フォーマット (vCard - Wikipedia)。エクスポートは1件ずつ登録件数分行う必要がある。ファイル名は「氏名.VCF」で,PRIVATE/KYOCERA/DATA フォルダ内に保存される
  • *.HAD
    • 「H"問屋」でエクスポートされるデフォルトの形式で H"問屋 独自の形式
  • *.CSV
    • 「H"問屋」でエクスポートが可能なカンマ区切りのテキスト形式
  • *.KKC
    • 「京セラ PHS ユーティリティソフトウェア」でエクスポートされる形式で,京セラ独自形式

vCard 形式で,地道にやった方がいる (Sweetia WX02K(京セラ製のPHS)から、スマホへの電話帳移行手順 - SHW48のリアルライフ)。なんという手間! これは最終手段だ。

「携帯マスターNX7 for Y!mobile」は終了

最初に Y!mobile のサイトを見てみると,バックアップのためのソフト「携帯マスターNX7 for Y!mobile」が公開されていた。主な機能は「他社携帯電話から携帯電話へのアドレス帳データ移行」「アドレス帳データのバックアップ」「PCに保存したアドレス帳データの編集」であり,まさに欲しい機能を持っている。しかし…

お知らせ「携帯マスターNX7 for Y!mobile」は、2015年3月31日 をもって提供を終了させていただきました。なお、現在ダウンロード済のお客さまは継続してご利用いただけます。

携帯マスターNX7 for Y!mobile|ソフトウェア|サポート|Y!mobile(ワイモバイル)

先月? もう少し早ければ… と思ってよく見たら,去年の3月31日だった orz。

「H"問屋」は不完全

PHS の電話帳データ編集ソフトに「H"問屋」というものがある。読み方は「エッジどんや」で,「H」に濁点で「エッチ」→「エッヂ」というダジャレなところがそれでいいのかよと思うが,「H"」という表記はこのソフトメーカーが作り出したものではなく,公式の呼び名だったので仕方ない (AIR-EDGE - Wikipedia)。

この Windows 用のソフトウェア「H"問屋」も,残念ながら公開は終了しているが,Web Archives WILLCOM|ダウンロード|H"問屋 からダウンロードできるのである (WebArchives万歳\(^o^)/: Tomohiro Diary@blog さんの情報より)。PHS と通信するには,Windows に USB ドライバを導入しておく必要がある (USBドライバ | BAUM | 京セラ)。「H"問屋」は古いソフトで Windows XP までの動作保証しかしていないが (WILLCOM|ダウンロード|H"問屋: 必要動作環境),Windows 7 で動作する。

「H"問屋」は COM ポートでの通信が前提となっている。つまりシリアルケーブルで PHS と接続するということだが,今の時代はシリアルポートを持っているのはデスクトップパソコンくらいしかない。しかし諦めるなかれ,USB ポートで通信が可能である。

試してみたところ,MacBook Pro, Mac OS X 10.11.4 El Capitan, VirtualBox 5.0.16, Windows 7 Ultimate, 京セラ USB ドライバ 03/05/2004,1.0.0.0, H"問屋 1.1.1.0 で動作した。つまり,USB ポートしかない MacBook Pro で,VirtualBox のゲスト OS として Windows を起動し,その Windows にドライバと H"問屋をインストールして動作したということである。

COM ポートの見つけ方

USB が使っている COM ポートはどうやって見つければいいのか? 最初に思いつくのはデバイスマネージャである。

デバイスマネージャの表示
デバイスマネージャの表示


デバイスマネージャを開き,「ポート (COM と LPT)」を見ると「Kyocera PS Data Port (COM3)」となっている。しかし,H"問屋に設定したところ通信はできなかった。次に試したのは「コントロールパネル」→「電話とモデム」である。

電話とモデム
電話とモデム


「電話とモデム」の情報では,「Kyocera PS Modem Port」は「COM4」。これを H"問屋 に設定してみたところ通信に成功した。

不完全なデータ

H"問屋 を使って CSV エクスポートしたところ,出力されたデータの項目は次のようになった。

グループ,種別,名前(漢字),名前(カナ),電話番号1,電話番号2,電話番号3,電話番号4,電話番号5,電話番号6,メールアドレス1,メールアドレス2,メールアドレス3,メールアドレス4,メールアドレス5,メールアドレス6,シークレット

BAUM に登録されているのは,電話番号が最大3個,メールアドレスも最大3個なので,フィールドとしては十分なように思える。しかし,電話番号種別を「仕事」として登録してある場合は CSV 出力されないことが分かった。これは使えない (BAUM では電話番号を「PHS」「携帯電話」「自宅」「仕事」「学校」「その他」に種類分けできる)。

参考までに,BAUM の電話帳データ項目は次の通り。

グループ,名前(漢字),名前(カナ),電話番号1,電話番号種別1,電話番号2,電話番号種別2,電話番号3,電話番号種別3,メールアドレス1,メールアドレス種別1,分計設定,メールアドレス2,メールアドレス種別2,メールアドレス3,メールアドレス種別3,住所,住所種別,URL,血液型,誕生日,星座,趣味,メモ,画像,シークレット,着信設定

「分計設定」というのはついに使わなかったが,これは別途申し込みが必要な「料金分計サービス」の項目である。その他,「住所,住所種別,URL,血液型,誕生日,星座,趣味,メモ,画像」の項目も H"問屋 の CSV エクスポートには不足している。

京セラ PHS ユーティリティソフトウェア

京セラPHSユーティリティソフトウェア」という Windows 用のソフトウェアがある。 HONEY BEE BOX(ハニービーボックス)用となっているが,BAUM でも使える。このソフトウェアで保存できる電話帳データの形式は *.kkc である。

KKC 形式は京セラ独自のデータ形式だが,データ構造を解析してテキストデータに変換するツールを公開してくれている方がいる (~uratan/hb/)。これはありがたい。データ項目は不足なくすべて出力される。

これを加工すれば電話帳データを移行することができそうだ。

Posted by n at 2016-04-17 22:12 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
Trackbacks

  • 「手違いで複数トラックバックを送ってしまった!」という場合でも気にしないでください (重複分はこちらで勝手に削除させていただきます)
  • タイムアウトエラーは,こちらのサーバの処理能力不足が原因です (詳細は トラックバック送信時のエラー をご覧ください)
  • トラックバックする記事には,この記事へのリンクを含めてください(詳細は 迷惑トラックバック対策 をご覧ください)
Comments

PHSからスマホの移行で同じ問題にぶつかりました。
しかし、他のガラケーに一旦赤外線で送信してガラケー内で勝手にvcfファイルに
変換してくれたので、これをメール添付で簡単に移行できました。

Posted by: taishi at November 06, 2016 18:33

taishi さん
それは思いつきませんでした。情報ありがとうございました。

Posted by: n at November 09, 2016 04:53
Post a comment
  • 電子メールアドレスは必須ですが,表示されません (気になる場合は「メールアドレスのような」文字列でもOKです)
  • URL を入力した場合はリンクが張られます
  • コメント欄内ではタグは使えません
  • コメント欄内に URL を記入した場合は自動的にリンクに変換されます
  • コメント欄内の改行はそのまま改行となります
  • 「Confirmation Code」に表示されている数字を入力してください (迷惑コメント対策です)


(必須, 表示されます)


(必須, 表示されません)


(任意, リンクされます)


Confirmation Code (必須)


Remember info (R)?